2005年6月号(VOL22-3)
RIFA トップページ Koryu トップページ English
母国から栗東へ


第21回異文化交流サロンに参加、
北野天満宮で観梅を楽しむ牛さん。

 RIFA日本語教室受講生の牛俊民さんをご紹介しましょう。


中国西安市から研修生として昨年夏に栗東市にやって来られました。
同じ時期に来られた方々もそうですが、牛さんもまたとても勉強熱心です。

日本語は日本に来る前に数ヶ月勉強、来日してからもまだ1年も経たないのにとてもお上手に話します。

この2月にBNN(びわこ日本語ネットワーク)主催の外国人日本語スピーチ大会に果敢に出場しました。


ご本人の了解を得て、ここにその原文を掲載します。


私の考え方を変えた小さな出来事
牛   俊 民              

私は牛俊民と申します。中国の西安出身です。今年23歳です。昨年の8月に研修生として日本に参りました。

現在、栗東市の会社でプラスチックの加工の研修をしています。会社の寮で一緒に来た他の5人と生活しています。

 私は17歳のときから故郷を離れて生活をしてきました。ですから、その寂しさにもすっかり慣れているつもりでした。
でも、今回日本に来ることになって、今までにはない不安と寂しさを感じました。それは今回の来日が人生で初めての海外生活で、また、3年の研修が終わるまで故郷には帰れないからです。

 そんな気持で私は日本にやって来ました。そして日本での研修生活が始まりました。
けれども実際は思ったほど日本での生活は寂しくありませんでした。なぜなら、一緒に西安から来た他の5人と会社に行くのも生活するのもいつも一緒だからです。

 でも1ケ月、2ケ月と過ぎて、私はすこし焦り始めました。せっかく日本に来たのに、私達の生活には殆ど日本の人との交流がないのです。私は日本に来る前、日本に行ったら日本人と交流して日本の文化を教えてもらったり、日本語を勉強したいと思っていました。

 でも実際に来てみると、中国にいる時と変わらない生活なのです。どうやって日本人と交流するのかきっかけも方法も分からないでいました。

  そんなある日のこと、雨で汚れたので洗おうと思って寮の玄関に置いていた私の靴がきれいになっていました。私たちの寮の下の部屋に住んでいる奥さんが洗って外に干してくれていたのです。
 日本人に親切にされたのは初めてでした。また、17歳のときに故郷を離れてから初めて人にされた親切でもありました。
私は本当に感動しました。日本人にこんなに親切な人がいるとは思っていなかったからです。


  それまで私は「日本人は冷たい」という先入観を抱いていました。
けれども、このことがあってすっかりこの先入観はなくなりました。



BNN外国人スピーチ大会終了後に
インタビュー(2月13日 野洲文化ホールで


日本人と交流したいと思っているのに心の中にいろいろな先入観があって、どこかにためらいがあったことに気付きました。
そしててこのてことをきっかけに私は、近所の人達とももっと積極的に交流していけるようになりました。
 
 地域の掃除や行事に参加したりして、周の人とも友達になれました。道で会うといろいろ話をしたりします。しかも、交流してみると、思った以上に皆さんいい人ばかりでした。

 今、私は日本での生活を楽しく過ごせています。それは私達を応援してくれている周りの人のお陰だと思います。
日本での3年間を有意義に過ごし、たくさんの人と交流し、たくさんのことを学び、周りの人に責献していけるような人材になりたいと思います。

ありがとうございました。


〜ご投稿お待ちしています〜
 エッセイ、紀行文、詩、短歌や俳句など、原稿を募集しています。採用分には薄謝を差し上げます。
郵便番号・住所・氏名・TEL/FAX番号を添えて事務局までお送り下さい。


<<戻る | 23号>>

RIFA トップページ Koryu トップページ English