2006年9月号(VOL27-3)
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7月6日(木)
国際理解講座の模様 ニュージーランドから来られてちょうど1年というキェラン・オコンネルさんをお迎えして、コミュニティセンター治田西でニュージーランドの歴史や文化、観光スポットなどをお伺いしました。以下はオコンネルさんのお話です。
 
 ニュージーランドでは、20代の人たちが、1、2年間、海外に出ていくのはごく当たり前のことですが、そのまま戻らない人もたまにはいます。たとえば、私の長兄はオーストラリアのシドニーにもう7年以上住んでいます。次兄は4年間日本に住んでいましたが、今はアラブ首長国連邦のドバイに住んで兄弟も海外で暮らしている6か月ほどになります。もう一人の兄は台湾にもう5年以上住んでいます。そして、私は日本に来て1年になります。このように、ニュージーランドでは若者が海外に行くことが望まれており、私の場合も海外に行きたいと言ったとき、上司は私がそれを言い出すのを待っていたと言いました。たいていのニュージーランド人は国に戻ってくるので、広い経験や見識を持ち帰り、それがニュージーランドのためになると考えられているからです。
 さて、ニュージーランドはご存知のように、2つの島とたくさんの小島で成り立っています。日本とはとてもよく似ています。地理的条件において、島国であるということもそうですし、日本のほうが少し大きいけれど、面積もほぼ同じくらいです。よく似た山もあります。タラナキ山は富士山によく似ているので、映画『ザ・ラスト・サムライ』の背景に使われました。
 最も大きな違いは多分、人口でしょう。日本が1億2千8百万人に対して、ニュージーランドは4百万人です。首都のウェリントンの人口は大津市の人口とほぼ同じです。渋谷の人の多いのに驚きました。夏の平均気温は20〜30℃、冬は10〜15℃で、南へ行くほど寒くなります。
 ニュージーランドは比較的新しい国ですが、興味深い歴史があります。もともニュージーランドの紋章とマオリ族の人たちが、1200年から1300年ごろから狩猟や漁をしたり、道具を作ったりして暮らしていました。1642年にオランダの探検家アベル・タスマンという人がこの国を発見し、以来、イギリスのキャプテンクックやアザラシや鯨を獲る人々、貿易商など多くの人々がこの国にやってくるようになりました。マオリ族にとってはいいことではありませんでした。1870年代に金が発掘されて以来、ますます多くの人々が入植し、マオリ族との紛争が頻発し、それは1880年代まで続きました。ミトレピークに雲がかかる
 物価は安く、景色はすばらしく、人々はフレンドリーで、旅行するにはすばらしい国です。特に、私の育った南側の島がお勧めです。ガーデン都市として知られるクライストチャーチは人口30万人の都市で、日本から直行便で行けます。クライストチャーチから2時間ほどのところに美しいテカポ湖があり、その近くにマウンテイン・クックがあります。またそのすぐ近くにはタスマン氷河があり、勇気があれば、その上を歩くことも。また、自然の美しさが手付かずで残されているミルフォード・サウンドの景色は本当にすばらしいものです。

 などなど、19世紀にはほんの一握りだった日本人移民は、今では1万人を超えているというニュージーランドの魅力をまだまだここに書ききれないほどお話しくださり、質問も英語で、日本語でと次々に出されて、参加者はすっかり時間を忘れてしまうほどでした。最後にオコンネルさんから、「ニュージーランドに行きたい人?」と質問され、小学生のようにみんないっせいに「は〜い。」と手を上げるなど、楽しい時間を過ごしました。通訳はRIFA会員の佐藤さんでした。


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